980327-2 「下山暮らしを満喫─陶芸の道を志す杉浦雅男さん─」

 東加茂郡下山村大字宇連野に住む杉浦雅男さんは、三年前、陶芸家に転身した。
 

 高浜市出身の杉浦さんは、街での暮らしに違和感を感じ、五年前、村立下山中学校に志願し、赴任してきた。
 

 美術の先生をしていたが、自分の作品を作りたいという欲求が高まり、教師生活に終止符を打った。
 

 当初は不安でいっぱいだったが、昨年八月十一日、待望の窯を完成させ、落ち着くようになったという。窯には自分の名前の一字を取り、「雅窯」と名付けた。十月には初の窯出しも行った。
 

 「一ヶ月以上も、自分の好きな創作活動に打ち込める今の暮らしに満足しています。自分の人生の中で一番充実しています」と、下山での暮らしを語る。
 

 「物質的な豊かさを求めると田舎での生活は窮屈に感じるかも知れません。山があり、静かな環境があります。それだけでも素晴らしい。最初から大変だ、と思わないことが大切。昔から近所付き合いが苦手でした。ここでは、みなさんに親切にして頂いています。ありがたいです」と田舎暮らしの楽しさを伝授する。
 

 縄文式土器の粗々しさや空間美に魅力を感じ、今年の一月から二月にかけて複製に取り組んだ。「はるか太古の昔に、これほど完成度の高い作品を作っていたとは・・・。どんな人が作っていたのか、会ってみたい。自然と調和した暮らしをしていたので、こうした作品が出来たのでは」と、杉浦さんは想像をふくらます。
 

 縄文人に、日本人のルーツを感じ、縄文文化を基礎にしたモノ作りを模索中だ。
 

 縄文土器の複製だけではなく、茶碗やお皿なども製作する。百五十個ほどの作品を作り、近いうちに窯入れを行う予定だ。
 

 教師を辞めた今でも、子供たちの事が気になるようだ。「先生達が忙しすぎます。何かあったらすぐ会議。これでは、生徒とゆっくり話しができない。先生が笑顔でいたら、子供たちも笑顔になります」。 (藤原)

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