
外国人住民が全居住者11000人の三割を超える豊田市北部「保見団地」で、日本人住民と外国人住民の共生に向け、大家の都市基盤整備公団(旧住宅都市整備公団)が「国際化の進展に対応した団地管理への取組」を発表した。
同公団職員が常駐するとともに、日系ブラジル人を採用し、生活相談の窓口を作った。団地内集会所を現在の三カ所から六カ所に増設する計画もある。駐車場の増設やボランティア活動への支援も打ち出された。
第一弾として11月28日、団地内の市立東保見小学校でサッカー教室が開かれ、日本人、日系ブラジル人の小学生五五名が参加した。名古屋グランパスエイトのコーチ三人が指導役をつとめ、サッカーを通した交流が展開された。(藤原久道)
昭和五〇年に入居が始まった「保見団地」は、公団と県が管理する賃貸・分譲、民間戸建設の一戸建て住宅の、合計三五五四戸から成っている。うち公団賃貸棟は九七九戸。
賃貸住宅の中には、居住者の四〇%以上を外国人住民が占める棟もある。ここ数年、一部の外国人住民のゴミ捨てや騒音などが問題視されるようになった。
地元区長らで構成する「保見ヶ丘を明るくする会」は、平成九年九月と一一年一月に、愛知県、公団、豊田市に対し、住環境整備を求めた要望書を提出していた。 今回、整備公団が発表した「団地管理への取り組み」は多岐にわたる。主な内容は次の通りだ。
1)水・日曜日を除く毎日午前九時半から午後五時まで、団地内のサービス事務所に公団職員を常駐させる。日系ブラジル人を九月から採用され、ポルトガル語での生活相談も可能になった。
2)ルール違反者に対しては、国籍を問わず契約解除を含めた法的措置を取る。
3)団地内の空き店舗を活用し、四〇平米二カ所、二〇平米一カ所の集会所を増設する。
4)公団賃貸九七九戸について、現在八三九台の駐車場を全戸完備にする。
5)集会所利用の日本語教室・国際交流などのボランティア活動については、利用料を無償にする。
6)スポーツを通した交流活動を推進する。サッカー教室は、年二回の開催を予定している。
同公団の青木伸一朗課長は「遅きに失したというお叱りも受けます。住民の皆さんと共に、住み易い団地づくりに取り組んでいきます」と語った。
保見ヶ丘を明るくする会前会長の松井正衛市議会議員が「今まで要望してきた事がようやく叶いそうだ。まだ、『共生』ばかりが前面に出ているが、自治会加入の減少で住民自治が成立しなくなっている。まずは、自治会への加入を呼びかけたい」と話すように、共生に戸惑いの声も聞かれる。
保見団地では、住民を中心としたボランティアグループの活動が盛んだ。
団地内で日本語教室を開催してきたメンバーを中心に、「保見ヶ丘国際交流センター」設立総会が一九日午前一〇時から、保見公民館で開催される。
多くの事業計画が予定されており、動向が注目される。主な計画内容は次の通りだ。
1)日本語教室およびポルトガル語教室の開催。
2)センター事務所にポルトガル語の話せる職員が常駐し、日常生活相談を受け付ける。
3)外国人児童生徒が、日本での生活に適応できるように、日本語学習と学校教科の補習を行う。
4)各国の自慢料理・音楽などを披露するワールドフェスタを開催し、交流を深める。
5)外国人住民に対しても自治区の各種行事への参加を促し、自治区にも加入するよう協力する。
6)外国人商店会および外国人住民協会の設立を協力・支援する。
保見ヶ丘国際交流センター設立準備会は会員およびスタッフを募集中だ。詳細は事務局の楓原和子さん(tel48・0531)まで。