000204-5 やはぎ論壇「保見ヶ丘の魅力を考える」(関八代重) 

 私は「国際交流」「共生」という言葉は、あまり好きではない。その言葉を意識して行動すること、意識して口にすることが、好きではない。
 

 今の日本は、自分と異質のものを認めたがらない。同質と思われる人と群れたがり、異質の人を無視し、排除しようとする。しかし、本当に同質なのだろうか、はなはだ疑問だ。親子でも価値観が違うのに、自分と同質の人間なんて、この世に存在するのだろうか。程度の差こそあれ、それぞれが異質な存在なのだ。そうだとしたら、言葉が違い、育った国が違えば、異質なのは当然なのではないか。
 

 個々に異質であるのが当たり前なら、なぜ外国人に対してだけ「国際交流」「共生」などという言葉を使うのだろうか。これが日本人同士の付き合いなら、「国内交流」とでもいうのだろうか。この言葉に潜む区別意識が、どうしても好きになれないのだ。
 

 昨年一二月中旬、「保見ヶ丘国際交流センター」なるものを発足させた。この名前は、分かりやすいだろうという理由であまりに安易に付けすぎたと、今では非常に後悔しているのだが・・・。
 

 「目的は」と単刀直入に聞かれると、一言ではとても言い尽くせない。質問した相手が期待する「外国人支援」だけでは決してないのだ。例えば、東北の人と九州の人で、風習・生活習慣・方言などについて話をしてみると、「へぇーそんなことがあるのか」とか「こんなに違うの」などと、思うことがあるはずだ。
 

 相手を理解するということは、日本人と外国人の関係でも同じで、まず接点を持つ、話をする、見てみる、ことが大切なのではないだろうか。その機会や情報などを提供しながら、保見ヶ丘の魅力のあるまちづくりを考えをきっかけをつくることが、センターの目的と考えている。そして、その延長上に日本語教室や情報提供などの、外国人支援があるのだ。
 

 言葉にして書くと堅苦しく感じるだろうが、みんなでワイワイガヤガヤと楽しく、魅力的なまちづくりとはどういうことなのかを考える場にして行きたいと思っている。
 

 保見ヶ丘をふるさとに巣立っていく子ども達がいる。その子ども達に、ふるさとは他とはちょっと変わっていて面白い土地だった、と思って欲しい。それには地域に住んでいる大人が、保見ヶ丘には無関心、自分は関係ないことではすまされない。地域とどう関わり、自分には何が出来るのか、一人ひとりが考えて欲しいと思う。いまこそ大人の、そして日本人の力が試されているのではないだろうか。「はらをくくって、前向きにしっかり生きよう!」
 

 私達は全員ボランティアで、毎週日曜日に保見団地内の集会所で、日本語教室を開講している。メンバーみんな学校や仕事がありながら、遠くは神奈川・春日井・名古屋などから参加している。時間やそれ以外の活動条件なども限られたものだから、当然活動内容も出来ることと出来ないことがあり、またボランティアだからこそ出来る活動もある。活動の種類を見極めながら、あまり頑張らずに、地道に活動を続けていくつもりでいる。
 

 いつか「国際交流」「共生」などという言葉を意識せずに、日本人も外国人もそこに住むことが当たり前のようになることを願っている。きっとその時には、行政的に労働条件や生活していく上での基本的な条件が整えられ、情報がきちんと提供されているはずだ。困ったときは隣の人が少し手助けしてくれる、そんな社会になっているだろう。
 

 一日も早く「国際交流センター」などという存在が不必要になることを願っている。


 せき・やよえ 保見ヶ丘国際交流センター代表。臨床検査技師。
 北海道に生まれ育ち、現在は豊田市保見ヶ丘に暮らし、一二年目を迎える。
 センターの詳細は、関さん(tel48・5852)、事務局の楓原和子さん(tel48・0531)、またはメールアドレス「homigaoka@mail.goo.ne.jp」まで。


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